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須永 博美; 春山 保幸; 滝沢 春喜; 小嶋 拓治; 四本 圭一
JAERI-Conf 95-003, 0, p.344 - 348, 1995/03
原研高崎には3基の電子加速器が設置され、0.15~3.0MeVの低、中エネルギー領域の電子線を用いた照射利用の研究が行われている。主な研究対象はキュアリング、排煙、排水処理、機能性材料等新材料の開発、半導体の特性改善や照射劣化の研究など広範にわたっている。これら多様な照射実験における吸収線量の決定には、三酢酸セルロース(CTA)、GaF、Radiachromic線量計等の実用線量計や電子フルエンス測定のために原研で開発した電子流密度測定器を用いて対処している。また実用線量計の校正は高崎研で開発をすすめた全吸収型カロリメータを用いている。このような電子線照射における線量決定法についての原研高崎の現状を報告する。
須永 博美; 田中 隆一; N.M.Ali*; 四本 圭一
Radiation Physics and Chemistry, 46(4-6), p.1283 - 1286, 1995/00
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Chemistry, Physical)1~5MeV程度の中エネルギー領域の電子線のエネルギー校正や実用線量計の感度校正を行うためには、高精度で求めたエネルギーフルエンスデータが有用である。この測定のために用いる全吸収型熱量計の開発を進めた。熱量測定の方法は、熱量計が一定速度で放射線場を移動し、その後の放熱に伴う温度の低下曲線を外挿することにより、吸収したエネルギーの値を求める方式とした。検討を行った要点はこの熱量計の構造、寸法、材質であり、その結果ガードリングを備えた構造とし、直径40mmの吸収体を用い、材質は後方散乱補正の小さいグラファイトとした。また温度センサーとしては微小形状で、精度の高い方式と考えられるサーミスタを用いた。
須永 博美; 橘 宏行; 田中 隆一; 岡本 次郎; 寺井 寛*; 斉藤 敏夫*
Radiation Physics and Chemistry, 42(4-6), p.749 - 752, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.07(Chemistry, Physical)加速器から放出される電子線をターゲットに衝突させることにより発生する制動放射線を用いる加工処理における線量計測法について検討した。制動放射線は電子エネルギーに対応する高エネルギー成分を含む連続エネルギースペクトルの放射線で、一般にコバルト60ガンマ線照射の場合よりも線量率が高いなどの特徴を有し、線量計測を行う場合に問題となる可能性がある。これらの特徴を考慮して、基準線量計としては試作した円筒型電離箱を、実用線量計としてPMMA(Radix)、CTA(FIR-125)およびアラニン(アミノグレイ)線量計についての特性を調べた。その結果、円筒型電離箱では1.810R/h程度の高線量率まで電離電流の飽和が生じない状態で測定を行うことができ、実用線量計ではPMMAとアラニン線量計が510~310R/hrの範囲で線量率依存性を示さず、有用な線量計となり得ることが明らかとなった。
田村 直幸
Radiation Physics and Chemistry, 18(1-2), p.281 - 291, 1981/00
放射線加工処理用のガンマ線照射施設について、その現状を国内及び高崎研の照射施設を中心に述べた。放射線加工処理用のRI線源の条件としては、長い半減期、カプセルの安全性、低コストの出力、将来にわたっての安定供給などがあげられる。RIガンマ線源としては、当面Coに依存しなければならないが、コスト的な問題から将来、Csも考える必要がある。照射施設における線源の格納はIAEAの放射性物質輸送規則の改止後は、従来鉛容器格納が多かった100kCi以下の線源についても、水プール格納方式が有利になっている。このほか、国内の加工処理用商業施設とその内容、ガンマ線照射施設で使用している基準線量計、実用線量計の特徴、照射施設の付帯設備、材料の長期間の照射に伴う劣化などについても述べた。